黒崎店のブログ
2008/11/1 土曜日 13:25:14 黒崎店|個別ページ|コメント (0)|カテゴリ:黒崎店のブログ
こんにちは。黒崎店の店長でございます。
今回は、全然マニアックではないお話を。
私がここ数年読んだ本で、心に残った作品をご紹介します。
それは浅田次郎さんの「蒼穹の昴」です。文庫で全4巻ですが、一気に読めるというよりも、心の中に余韻を残して、大事に読みたいと思わせる作品です。
作品の紹介の前に、私が浅田さんの作品を読むようになったきっかけを。
以前、週刊誌に「勇気凛凛ルリの色」というエッセイを連載しておりまして、そのエピソードが毎回毎回面白く、発売日を待って1番はじめにページを繰ったものです。少ないページ数で落としどころが絶妙なエッセイでした。ご年配の方には「少年探偵団」の歌詞の一節で懐かしく思われる方もいらっしゃるのでは?
その後、浅田作品の中で皆さんが1番ご存知と思います「鉄道員」が、高倉健さん主演で映画化され、日本アカデミー賞の最優秀作品賞を受賞しました。
私も原作を読んだ時には、ガラにもなく人目も憚らず号泣しました。
そんな中、上梓されたのがこの「蒼穹の昴」です。
作者、自らが「私はこの作品を書くために作家になった」と言い放った作品です。
物語の舞台は中国清朝末期。貧民の子、李春雲が宦官となって西太后に出仕するまでの波乱の人生と、春雲の兄の義兄弟、梁文秀が科挙を主席で合格し、光緒帝に仕えるまでの出世物語を軸に、清朝に生きる人々の生活や心情・愛情・悲哀が、時にはやさしく、時には激しく描かれています。運命に屈しない強靭な意志と運命を受け入れる心の強さが、読む者の心を揺さぶります。科挙や宦官についても細かく書かれており、清朝の政治や文化を知ることが出来ることもこの本の優れたところ。西太后も悪女ではなく、ひとりの人間として描かれていて、その苦悩はむしろ清廉ですらあります。
随所に散りばめられた珠玉の言葉たち、泣かせどころを押さえた作者の術中にまんまと嵌って下さい。
この続きは、リオネットセンター戸畑の店長ブログに載せます。そちらも是非ご覧になって下さい。
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~補聴器のご相談はリオネットセンター各店へ~
2008/10/9 木曜日 18:21:56 黒崎店|個別ページ|コメント (0)|カテゴリ:黒崎店のブログ
みなさん、こんにちは。
今回は『ブートレッグ:BOOTLEG』のお話しをさせて下さい。
「ブートレッグ」なんて言葉、初めて聞いた方が多いのではないでしょうか?
「海賊版」と言った方が聞き覚えがあるのではないかと思います。
簡単に言うと、著作権者の承諾を得ずに勝手に製作、製造された製品のことです。
このような、所謂「海賊版」はいろいろな製品にあるのですが、中でも有名なのが「ブートレッグCD」です。ジャンルは主に洋楽(ROCK.POPS)で邦楽の「ブートレッグCD」はないと思います。
昔、個人レベルでクラシックコンサートを秘密裏に録音して、仲間内で聞いて楽しんでいたことが起源と言われ、語源は密造酒(BOOTLEG)からきており、かつて密造酒をブーツに隠したことに由来するそうです。それがレコードとなり、CD時代になると商売として成り立つようになったのです。
例えば、みなさんの大好きな歌手がいて、CD屋さんで販売している正規のCDは全部買って、聞いてしまったとします。
そんな時、もっとその歌手の他の歌が聞きたいと思いませんか?
「ブートレッグCD」では、その世界が広がるのです。
お目当ての歌手のコンサートのCDが正規で販売していたとします。
ライブCDの多くは、ひとつの会場で録音されたものだけで作成されているわけではなく、数箇所の会場で録音された内、ベストテイク(歌手や製作者がこの会場での歌唱や演奏がよいと判断したもの)を選んで、あたかもひとつの会場で最初から最後まで歌っているように、曲と曲との間に歓声を挿入して作られています。
そうすると録音した会場の数だけ、その記録は残されているわけです。
そういった正規で発表するための選から洩れたものや1曲目からラストナンバーまでひとつの会場で録音されたものが関係者から流出されて、それを元に作られたCDが「ブートレッグCD」なのです。
このようなもの以外にも、先に書いたようにコンサート会場に録音機をこっそり持ち込んで録音したもの(=隠密録音:一般的に音が悪いものが多いが、高性能のマイクを使い、素晴らしくきれいに録れていて、あたかもその会場にいるような臨場感あふれるものもあります)やスタジオで録音したものでも、ライブ音源同様、アルバムに入れる候補から洩れたテイク(いわゆる没テイク)が流出したものが元になったものもあります。
このようなCDはコレクターズCDとも呼ばれ、専門のお店やレコードフェアなどのコレクターズCDコーナーで販売されています。
また、ブートレッグCDの内容や録音状態を解説した本も出版されています。マニアはそんな本を読んで録音状態の悪いブツを掴ませられないようにするのです。
どこかでCDフェアがありましたら覘いてみて下さい。あなたの好きな歌手のあなたの知らない歌を収録した「ブートレッグCD」があるかもしれませんよ。
だけど、ゆめゆめ深みにはまらないように。どんなものでもマニアの世界は奥が深く、キリがないのですから。
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~補聴器のご相談はリオネットセンター各店へ~
2008/8/30 土曜日 11:59:23 黒崎店|個別ページ|コメント (0)|カテゴリ:黒崎店のブログ
こんにちは。
今回は、私の一押しのテレビドラマについてお話します。
それは「男たちの旅路」というドラマです。
NHKで76年から放送されたTVシリーズで、脚本は山田太一(ふぞろいの林檎たち)、主演は鶴田浩二、脇には水谷豊(ドラマ「相棒」で再ブレイク!)桃井かおり、池部良、梅宮辰夫、森田健作、柴俊夫、清水健太郎、岸本加世子などなど。音楽をゴダイゴのミッキー吉野が担当しています。
鶴田浩二の役どころは特攻隊の生き残りで、戦中派のベテランガードマンとその部下の若者(水谷豊等)との交流を描くドラマです。
生き残ったことに負い目を感じながらも、何事にも真摯に立ち向かう、融通の利かない男。近頃の若者の軽薄な言動が許せず、つい小言を言ってしまう。そんな上司と「近頃の若者」との世代ギャップが一貫したテーマで、30年後の今見ても、いや今だからこそ見る者の心を捉えて離さない、決して古臭くなることのない名作です。
鶴田浩二といえば東映の任侠ものしか頭に浮かばなかったのですが、とにかく演技がうまい!水谷豊も、跳ねっ返りの若者を見事に演じています。
中でも77年に放送された「シルバーシート」は現代の高齢化社会を予見したような作品で、心に響きます。
老人役に「七人の侍」の志村喬、「砂の器」の加藤嘉ほか、笠智衆、藤原釜足、殿山泰司とよくこれだけ揃えましたなと思わず言いたくなるほどの豪華キャスト。
全13話(3話を1部として4部までと最終スペシャル1話)がDVD化されていますが、レンタル店やレコード店の店頭には置いていませんので、注文をしないと見られないと思います。値段も1部(3話入り)で定価10,290円(実勢価格は8~9千円)と他のDVDに比べ高いですが、機会があれば是非見て下さい。
私も思い切って購入しました。放送当時は高校生で水谷豊世代だったはずなのに、今、「近頃の若者は」とつい呟く自分がそこにいました。
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~補聴器のご相談はリオネットセンター各店へ~
2008/7/7 月曜日 16:44:31 編集室|個別ページ|コメント (0)|カテゴリ:黒崎店のブログ
はじめまして。
リオネットセンター黒崎店長の熊澤です。
(実はリオネットセンター戸畑の店長でもあります)
このブログでは、音楽と本がなくては生きていけない私が、
お勧めの曲や本や映画を紹介していきたいと思っています。
第1回目は私の読書遍歴から。
○高校まではほとんど読書とは縁のない生活を送る。
大学時代に突如として読書に目覚め、
「やっぱりこれしかない」と
三島由紀夫「金閣寺」「仮面の告白」「午後の曳航」を読み始めるも
理解できずにすぐにやめる。
○純文学の流れで、石川達三の「青春の蹉跌」
(ショーケン主演の映画の影響大)や遡って
夏目漱石「こころ」や武者小路実篤「友情」などを読むが、
自分の柄じゃないことに早々に気づき、推理小説に走る。
○いわゆる社会派の推理小説、
松本清張や森村誠一(松田優作出演の映画「人間の証明」の影響大)
を読み漁り、ネタが尽きたので推理小説の流れで
不覚にも当時流行っていた赤川次郎や西村京太郎などの軽めの作品に手を出す。
○軽めの作品に飽き、歴史物に手を染める、
歴史物といっても幕末物が主で、
司馬遼太郎「竜馬がゆく」は今日に至るまで、
私の読んだ本の中で1、2を争う作品であると思っています。
○浅田次郎「鉄道員(ぽっぽや)」を読み号泣、
以後今日に至るまで浅田作品を読むといつも泣く。
「蒼穹の昴」は中国、清の時代の宦官を描いた大作で、
これまた1、2を争うマイフェイバリット。
○推理小説の刺激が忘れられず、島田荘司はじめ、
いわゆる新本格派ミステリーと呼ばれる人たちの作品群を読み出す。
島田作品「占星術殺人事件」はこのジャンルで最高傑作。
新本格派ミステリー作家には、
綾辻行人、有栖川有栖、法月綸太郎などがいます。
以上がザッとした私の読書遍歴です。
これからはもっと掘り下げて紹介していきますので、
興味のある方は楽しみにしてください。
それではまた。
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~補聴器のご相談はリオネットセンター各店へ~