『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』
2010/6/6 日曜日 16:59:09 黒崎店|個別ページ|コメント (0)|カテゴリ:黒崎店のブログ
こんにちは。
今回は最近読んだ本で、面白かったものをご紹介します。
本のタイトルは『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』
夢枕獏さんの本です。
夢枕獏さんと言いますと、私なんか、まず安倍晴明を主役とした『陰陽師』シリーズが頭に浮かび、どうも伝奇物は喰わず嫌いで、今まで読んだことがなかったのですが、本屋さんで文庫コーナーを物色していると、このタイトルが目に飛び込んで来たので、思わず買ってしまいました。CDも本も「ジャケ買い」と言って、ジャケットや表紙が優れていると買いたくなってしまうものですよね。
喰わず嫌いとか、なんだかんだ関係なく、このタイトルにやられました。空海が唐で鬼と宴会をすると言うんですから。
「空海」
平安時代初期の僧、日本真言宗の開祖であり、「弘法大師」の名で知られる。讃岐国(現在の香川県)の生まれ、18歳で京の大学寮に入るも、そこでの勉強に飽き足らず、19歳の頃、山林の修行に入る。修行中、口に明星が飛び込んできて、悟りを開いたとされる。その間、空海が目にしていたのは「空」と「海」だけであったため、「空海」と名乗ったと伝えられる。
その空海が延暦23年、31歳の時に第16次(18次との説も)遣唐使の留学僧として唐に渡り(5月出航、8月の福州への漂着を経て、12月に長安入り)短期間で密教を会得する(伝法阿闍利位の灌頂を受け、「この世の一切を遍く照らす最上の者」を意味する遍照金剛の灌頂名を与えられ、長安を後にするのが延暦25年3月であるから、留学期間20年の予定をなんと2年足らずで、その目的を達したことになる!)と言う歴史的事実を縦軸に、世界3大美人のひとり、楊貴妃(あとの2人はクレオパトラと小野小町)と玄宗皇帝の恋物語を横軸に、仏教的観念と作者の本領あやかしの妖術を散りばめ、色々な知識を読者が無理なく取り込めるようにストーリーは展開していきます。
脇役には、空海と共に入唐する盟友、平安の三筆・橘逸勢(たちばなのはやなり、三筆のあとの2人は空海と嵯峨天皇)や唐の詩人・白楽天、真言密教の第七祖恵果和尚などが登場。
さらに、空海入唐の50年ほど前に生きた、楊貴妃、玄宗皇帝、詩人李白、阿倍仲麻呂、安録山なども過去の出来事の登場人物として語られます。
楊貴妃と玄宗皇帝の恋物語を少しだけ。
それは白楽天が2人をモデルにした詩、「長恨歌」で伝えられています。
時の皇帝玄宗(長恨歌では漢の王とされています)は、先妻を亡くした後、その悲しみを埋めるべく、長年美女を求めてきたが満足しえず、ついに自分の息子の妻である貴妃を手に入れます。それは以来、王は彼女にのめり込み、まつりごとを忘れたばかりでなく、その縁者を次々と高位に取り上げます。そうした有様に反乱(安録山の乱)が起き、王は宮殿を逃げ出しますが、貴妃をよく思わない兵は動かず、とうとう皇帝は兵をなだめるために貴妃殺害を許可する羽目になります。反乱が治まり、都に戻ったが、貴妃を懐かしく思い出すばかりで心は楽しみません。そこで道士が術を使って貴妃の魂を捜し求め、苦労の末、ようやく仙界にて、今は太真と名乗る彼女を見つけ出します。太真は道士に、王との思い出の品とメッセージをことづけます。それは「天にあっては比翼の鳥のように」「地にあっては連理の枝のように」かつて永遠の愛を誓い合った思い出の言葉でした(以上WIkipedia-「空海」及び「長恨歌」を参考にさせていただきました)
この物語はフィクションではありますが、一方、歴史的事実も多く語られるものの、堅苦しくなく、気軽に読み進めることができます(全4巻)
皆さんもこのブログで興味を持たれたら、是非読んでみて下さい。
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~補聴器のご相談はリオネットセンター各店へ~
今回は最近読んだ本で、面白かったものをご紹介します。
本のタイトルは『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』
夢枕獏さんの本です。
夢枕獏さんと言いますと、私なんか、まず安倍晴明を主役とした『陰陽師』シリーズが頭に浮かび、どうも伝奇物は喰わず嫌いで、今まで読んだことがなかったのですが、本屋さんで文庫コーナーを物色していると、このタイトルが目に飛び込んで来たので、思わず買ってしまいました。CDも本も「ジャケ買い」と言って、ジャケットや表紙が優れていると買いたくなってしまうものですよね。
喰わず嫌いとか、なんだかんだ関係なく、このタイトルにやられました。空海が唐で鬼と宴会をすると言うんですから。
「空海」
平安時代初期の僧、日本真言宗の開祖であり、「弘法大師」の名で知られる。讃岐国(現在の香川県)の生まれ、18歳で京の大学寮に入るも、そこでの勉強に飽き足らず、19歳の頃、山林の修行に入る。修行中、口に明星が飛び込んできて、悟りを開いたとされる。その間、空海が目にしていたのは「空」と「海」だけであったため、「空海」と名乗ったと伝えられる。
その空海が延暦23年、31歳の時に第16次(18次との説も)遣唐使の留学僧として唐に渡り(5月出航、8月の福州への漂着を経て、12月に長安入り)短期間で密教を会得する(伝法阿闍利位の灌頂を受け、「この世の一切を遍く照らす最上の者」を意味する遍照金剛の灌頂名を与えられ、長安を後にするのが延暦25年3月であるから、留学期間20年の予定をなんと2年足らずで、その目的を達したことになる!)と言う歴史的事実を縦軸に、世界3大美人のひとり、楊貴妃(あとの2人はクレオパトラと小野小町)と玄宗皇帝の恋物語を横軸に、仏教的観念と作者の本領あやかしの妖術を散りばめ、色々な知識を読者が無理なく取り込めるようにストーリーは展開していきます。
脇役には、空海と共に入唐する盟友、平安の三筆・橘逸勢(たちばなのはやなり、三筆のあとの2人は空海と嵯峨天皇)や唐の詩人・白楽天、真言密教の第七祖恵果和尚などが登場。
さらに、空海入唐の50年ほど前に生きた、楊貴妃、玄宗皇帝、詩人李白、阿倍仲麻呂、安録山なども過去の出来事の登場人物として語られます。
楊貴妃と玄宗皇帝の恋物語を少しだけ。
それは白楽天が2人をモデルにした詩、「長恨歌」で伝えられています。
時の皇帝玄宗(長恨歌では漢の王とされています)は、先妻を亡くした後、その悲しみを埋めるべく、長年美女を求めてきたが満足しえず、ついに自分の息子の妻である貴妃を手に入れます。それは以来、王は彼女にのめり込み、まつりごとを忘れたばかりでなく、その縁者を次々と高位に取り上げます。そうした有様に反乱(安録山の乱)が起き、王は宮殿を逃げ出しますが、貴妃をよく思わない兵は動かず、とうとう皇帝は兵をなだめるために貴妃殺害を許可する羽目になります。反乱が治まり、都に戻ったが、貴妃を懐かしく思い出すばかりで心は楽しみません。そこで道士が術を使って貴妃の魂を捜し求め、苦労の末、ようやく仙界にて、今は太真と名乗る彼女を見つけ出します。太真は道士に、王との思い出の品とメッセージをことづけます。それは「天にあっては比翼の鳥のように」「地にあっては連理の枝のように」かつて永遠の愛を誓い合った思い出の言葉でした(以上WIkipedia-「空海」及び「長恨歌」を参考にさせていただきました)
この物語はフィクションではありますが、一方、歴史的事実も多く語られるものの、堅苦しくなく、気軽に読み進めることができます(全4巻)
皆さんもこのブログで興味を持たれたら、是非読んでみて下さい。
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