『マンチュリアン・リポート』
2011/6/9 木曜日 14:01:01 黒崎店|個別ページ|コメント (0)|カテゴリ:黒崎店のブログ
リオネットセンター黒崎、店長の熊澤でございます。
浅田次郎氏の『蒼穹の昴』シリーズの完結編とも言える、『マンチュリアン・リポート』を読了しました。
このシリーズ『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』は、いつも文庫化してから読んでおりましたが、今回は待ち切れず単行本を買ってしまいました。
前著の『中原の虹』は、一馬賊にしか過ぎなかった張作霖(チャン・ヅォ・リン)が満州の支配権を獲得するまでを活写した物語でしたが、本著はその張作霖の爆殺事件を、読者があたかもその列車に乗っているかのように、あるいは、その列車が通り過ぎるのを見送っているように描いた作品です。
私は張作霖が乗った列車そのものが、爆破されたものと思っていたのですが、実際はその列車が通る時に、その上を通っていた満鉄の高架を爆破し、列車を押し潰し脱線させたようです。
物語は主人公の志津中尉が、昭和天皇の命を受け、張作霖爆殺事件の経緯を追いながら、その黒幕を炙り出すというもので、天皇陛下へのリポート(書面による報告書)の体を採り物語は進みます。
この時、張作霖が乗っていた列車は、かつて西太后が北京から奉天まで向かう際に乗車した「お召し列車」で、「鋼鉄の侯爵=アイアン・デューク」と呼ばれた英国製の機関車です。
この「お召し列車」を擬人化した対話の章と、先の志津中尉のリポートの章が交互に配され、張作霖爆殺へと進んでいきます。
このシリーズの前作までと比べると、若干淡白にあっさりと読み終えましたが、張作霖の漢気(おとこ気)や陛下の心情、この時代の人々の考え方や立ち居振る舞いが、胸を打つ言葉の数々と鮮やかな映像となって押し寄せてきます。
是非、何かで張作霖の写真をご覧になって下さい。この小柄で色白の男が、およそ馬賊の総欖把(ヅォランパ)であったなどと想像できる方がいるでしょうか?
浅田次郎氏の『蒼穹の昴』シリーズの完結編とも言える、『マンチュリアン・リポート』を読了しました。
このシリーズ『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』は、いつも文庫化してから読んでおりましたが、今回は待ち切れず単行本を買ってしまいました。
前著の『中原の虹』は、一馬賊にしか過ぎなかった張作霖(チャン・ヅォ・リン)が満州の支配権を獲得するまでを活写した物語でしたが、本著はその張作霖の爆殺事件を、読者があたかもその列車に乗っているかのように、あるいは、その列車が通り過ぎるのを見送っているように描いた作品です。
私は張作霖が乗った列車そのものが、爆破されたものと思っていたのですが、実際はその列車が通る時に、その上を通っていた満鉄の高架を爆破し、列車を押し潰し脱線させたようです。
物語は主人公の志津中尉が、昭和天皇の命を受け、張作霖爆殺事件の経緯を追いながら、その黒幕を炙り出すというもので、天皇陛下へのリポート(書面による報告書)の体を採り物語は進みます。
この時、張作霖が乗っていた列車は、かつて西太后が北京から奉天まで向かう際に乗車した「お召し列車」で、「鋼鉄の侯爵=アイアン・デューク」と呼ばれた英国製の機関車です。
この「お召し列車」を擬人化した対話の章と、先の志津中尉のリポートの章が交互に配され、張作霖爆殺へと進んでいきます。
このシリーズの前作までと比べると、若干淡白にあっさりと読み終えましたが、張作霖の漢気(おとこ気)や陛下の心情、この時代の人々の考え方や立ち居振る舞いが、胸を打つ言葉の数々と鮮やかな映像となって押し寄せてきます。
是非、何かで張作霖の写真をご覧になって下さい。この小柄で色白の男が、およそ馬賊の総欖把(ヅォランパ)であったなどと想像できる方がいるでしょうか?