野畠励起さんの声

写真:野畠励起さん

いつも素敵な笑顔の野畠励起さん。特定非営利活動法人 長崎県難聴者・中途失聴者協会の事務局長としても活躍していらっしゃる野畠さんにお話を伺いました。


開き直りも大切

野畠さんの明るい笑顔の源を教えてください。

写真:野畠励起さん

私は幼い頃中耳炎で耳を悪くしました。高校を出るまで補聴器は使っていませんでした。やっぱりあまり聞こえないことで学生時代はからかわれたりと嫌なこともありました。極力目立たずに過ごしたいと思っていましたね。難聴の多くの人は、聞き間違いや聞き返しが怖いんですよ。怖いというか恥ずかしいんです。聞き間違えてとんちんかんな答えを言って笑われたら嫌だという思いから、健聴者とのコミュニケーションを取らなくなりがちです。実際は笑われているという思い過ごしが多いのですが、幼い頃から少なからず嫌な思いをしてきた人は壁を作って、自分が傷つかないようにガードするんです。
でも開き直りも大切ですよね。私の場合結婚したのも大きく影響したかもしれませんが、聞こえないことは事実だし、たぶん劇的に聴力が回復することはないので、「耳が悪いのはしょうがない!」と、どんどん前に出るようにしました。自分なりに聞こえや補聴器について勉強したり。この状態と上手く付き合っていきながら、自分の世界を広げようと努力しましたね。

音のシャワーにびっくり

野畠さんとリオネットセンター長崎のお付き合いは20年以上になります。初めて補聴器を着けられたときはいかがでしたか?

写真:野畠励起さん

高校を出るまでは補聴器を着けていませんでしたから、最初に補聴器を着けたときは、耳からの情報がいきなり増えて、頭での処理が追いつかない感じでした。健聴者の方はずっと色々な音が絶えず耳に入ってくることが当たり前でしょうが、私のような難聴者にとっては補聴器を着けないとその音は聞こえません。徐々に慣れていかないとだめですね。慣れるまでが嫌で、「こんなにうるさいなら補聴器を着けない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

コミュニケーションをとることの大切さ

確かに、うるさいから補聴器を着けたくないとおっしゃる方はいらっしゃいます。私どもリオネットセンターでは、根気強く慣れるまで段階を追って音を大きくしていくなど、お客さまが快適に補聴器を使っていただけるよう努力しています。

写真:筆談に大活躍のアイテム
筆談に大活躍のアイテム

今の私にとって補聴器は無くてはならないものです。起きてから寝るまでずっと着けていますから。絶えず耳に音を入れることは本当に大事ですね。自分の殻に閉じこもらず、多くの人とコミュニケーションを取ろうという気にもなります。人と係わることが「楽しい」と思えれば、音のある世界が素晴らしいということが分かると思います。もちろん私のように、補聴器を着けても全ての音が聞こえない方もいらっしゃるでしょう。私も妻との会話は筆談を多用します。コミュニケーションの取り方は色々ありますから、積極的に外へ出て行ってほしいと思います。

コミュニケーションツールも充実

野畠さんのコミュニケーションの取り方を教えてください。

写真:会員の輪をつなぐ会報誌『心の耳で聴きたい』
会員の輪をつなぐ会報誌 『心の耳で聴きたい』

パソコン、FAX、要約筆記など、本当にやろうと思えばいくらでもあるんですよ。例えば要約筆記などは、会合があったときなどにお願いすると助かりますし、子どもさんの学校の三者面談などに同行してもらうことも出来ます。各県に要約筆記のボランティア団体がありますから、どんどん活用してほしいですね。私が事務局長を務めている『長崎県難聴者・中途失聴者協会』は、そういう聞こえの悩みを持つ方に少しでもアドバイスが出来ればと活動しています。

自分の世界を広げる喜びを知る

同じ難聴で悩む方にメッセージをお願いします。

写真:野畠励起さん

自分の世界に閉じこもらないこと!それには周りの人の協力が不可欠です。でも自分が聞こえないからといって、全てを人任せにしていては自分の世界は広がりません。自分の難聴を認めたうえで、前向きに色々なことにチャレンジしてほしいと思います。