- 補聴器広報サイトKIKOERUトップ
- 開発者インタビュー
- バックナンバー
- 綿貫敬介さん

リオン株式会社技術開発部
事業技術開発課
綿貫敬介さん
お客様と日々接する私たちにとって、お客様のご不便を改善出来たときが一番嬉しい瞬間。そのためには、お客様の立場に立った商品開発が不可欠です。今回は結露に悩むお客様と正面から向き合い、「透湿ベント」を開発した
リオン株式会社 技術開発部 事業技術開発課 綿貫敬介さんにお話を伺いました。
打倒結露!

透湿ベントを開発するきっかけはなんですか?
製品設計の合間に国分寺補聴相談室に3ヶ月間ほど研修に行かせてもらいました。その時、補聴器で増幅した音を耳に導くチューブ内の結露に悩むお客様を接客したのがきっかけです。
具体的にどういうお悩みだったのですか?
そのお客様は毎月点検にいらっしゃるのですが、鼓膜穿孔(鼓膜に孔が開いている状態)がひどく、耳内に湿気が充満して音導チューブに入ってしまい、チューブ内が頻繁に結露し、時には音が出なくなることもありお困りでした。
重度の難聴で、大きな音を出さなければご満足いただけないため、イヤモールドにベント(空気孔)を開けると、そこから音が漏れハウリングが起き、湿気を外に逃がすことが出来ませんでした。

相談室では、チューブを湿気に強い防滴チューブにしたり、イヤモールド(オーダー耳せん)に糸を通して湿気を排出したりと様々な工夫をしていたのですが、結局結露は思うように改善されず、エアースプレー缶をお渡しして、結露した時はエアーでその水滴を吹き飛ばしてもらうようにしていました。
補聴相談室の皆さんもどうにかしたいという思いだったのですね。
はい。定時後に、補聴相談室の細野さん、山口さん、原課長と「この方の結露、なんとかならないかなあ?」という話をよくしていました。そんなある日、ふと「湿気を逃がすが、音は通さないというものがあればいいんじゃないか!」と思いつき、既にあった防水補聴器の技術の応用で「透湿ベント」を開発しました。
試行錯誤

開発にはどれくらいの期間がかかりましたか?
試作品作成には2、3週間ほど、その後は補聴相談室でモニターを繰り返して頂いて、改善を重ねて製品化するのには実質2年半ほどかかったでしょうか。
開発で一番苦労したところは?
人によって耳の状態が異なるので、どのようにメンテナンスをするかも含め、透湿ベントの構造について考案するのに苦労しました。また、モニターを開始した当初は結露が改善せず、「だめか・・・」と思いましたが、色々試して透湿膜の面積を大きくすることで解決しました。
お客様と正面から向き合う大切さ

直接お客さまと接する機会があったとのことですが、その経験は開発するにあたりプラスになりましたか?
プラスどころか、お客様の困っていることを知らなければ開発することも無かったと思います。現場に行ってお客様の困っている事を直に感じることは本当に大切なことだと改めて勉強しました。
店頭スタッフと開発スタッフとの間で、意見の相違はありましたか?
特にありませんでした。一緒に開発を進めた細野さんとは製品の最終的なゴールの姿を確認できたので、気持ちよく仕事ができました。試作品を作る前に「製品のあるべき姿」を徹底的に議論したのが良かったと思います。
すべてはお客様のために

綿貫さんがこれからリオネット補聴器でやってみたいことは何ですか?
とてもよく聴こえるのに着けている事を忘れてしまう、難聴者の「第二の耳」になるような補聴器を手がけてみたいです。
綿貫さんにとってリオネット補聴器とは?
過去の偉大な先輩方の大変な努力で築かれた日本随一の補聴器ブランドだと思います。
お客様と真摯に向き合う姿勢から生まれた透湿ベント。リオネット補聴器が長年培ってきた様々な技術があるからこそ生まれた商品とも言えます。これからもお客様にご満足いただける商品の開発を期待しています!ありがとうございました。

透湿ベントって何??
オーダーメイド耳せんに穴を開けて、そこに目には見えないとても小さな穴がたくさん開いた膜を取り付けます。そうすることにより、耳の中の湿気は外に逃がしつつ、音を漏らさないことを実現しています。






